介護予防 健康コラム

家族が守ろう!高齢者の熱中症予防、熱中症対策どうすればいい?

この記事が誰の目とまるのかといえば、この記事のタイトルにある対象の方ではなく、そう読んでくださっているあなたのご家族に、しっかりとお伝えいただきたい内容です。

消防庁によるとは2018年7月24日、同年7月16日から7月22日の一週間における熱中症による救急搬送人数が2万2647人(速報値)と発表。(消防庁:熱中症情報ページ)
消防庁が熱中症による救急搬送者数の調査を始めた2008年以降、いずれも最多となっている。

私も一度野外で熱中症になったことがあります。

そのときは、日焼けを気にして、腕カバーをしていたのですが、その素材が自然素材のものでなかったので、日焼けはカバーできたのですが、皮膚呼吸がうまくできなかったようです。

熱中症とは、ことばの通り「熱(が)中(にこもる)症(状)

衣類は自然素材のものを選び、熱がこもらないようにしたいですね。また、冷房によって、脳が勘違いして熱を閉じ込め、汗をかかないようにしてしまう状態にならないよう注意が必要です。

一緒に暮らしていると声かけをしてあげたりできるのですが、やはり離れていると難しいもの。また生活習慣は高齢になればなるほど習慣化していて、新しい習慣を取り入れたり、変えたりするのは難しいものです。

「熱中症」人口当たりの患者数は、65歳以上が最も多くなり、男性では19~39歳、40~64歳、65歳以上がそれぞれ25~30%で、女性では65歳以上がその過半数を占めます。

年齢が上がるほど重症者の割合は多くなります。この理由としては、年齢とともに体力がなくなっていますし、ひとり暮らしで発見が遅れてしまうことで重症化してしまうケースも。

私たちが家族や高齢者に気を配り声をかけることが大切ですね。年寄り扱いされたくないという親御さんもいらっしゃると思います。見た目、行動は若くても、確実に若い時よりも体力がなくなり感覚が鈍ってきているので、そのあたりも上手に声をかけてあげてくださいね。

「エアコンではなくうちわや扇風機を使うなど、節電を意識した行動をとっている」20代で18%、30~50代で約30%、60代では35%、70代で39%と年齢が上がるほど割合が高いという結果に。(2014年東京電力のエリア内に住む960人を対象に行った調査(みずほ情報総研調査)
冷房は温度だけでなく、湿度が下がることがポイント。湿度が高すぎると汗をかくことができずに、体内の温度を下げることができません。

実は、高齢者だけじゃなかった。
50歳すぎたらあなたも注意!
熱中症予防、熱中症対策どうすればいい?


性別・年齢階級別に見た熱中症患者の発生率

熱中症患者は男性が多く、全患者の2/3 を超えています。また人口当たりの患者数も男性は女性の2倍高率です。

年齢別に見ると、男性・女性とも最もリスクの高いのは高齢者で、次いで小中高生となります。

図では65歳以上をまとめて示していますが、65歳以上でも年齢が高くなるにつれて発生率は上昇しています。

その他、青壮年(19~39歳、40~64歳)では男性の発生率が比較的高いのに対して女性の発生率は非常に低く、他の年齢層よりも男女差が大きく、男性が女性の4倍から5倍高率となっています。なお、今回の統計に用いた救急搬送例に限って見ると、幼児の発生例はそれほど多くありません。(国立環境研究所サイトより)

男性が圧倒的に多いのは、就業時における外出過程でのリスクが多分に存在するからに他なりません。60代後半以降になると定年退職を迎え、男性も自宅に居る時間帯が長くなり、リスクそのものは女性と変わらなくなるといえます。

それでも男性が多いのは、やはり女性に比べると、外での活動が多いことや、暑さを我慢してしまったり、水分補給を積極的にしない、水持ち歩かない等、経験が邪魔して、若い時と今は違うことへの認識・自覚が足りないことなどが大きく影響しているものと考えられます。

こまめな水分補給

高齢者になると体内の水分がそもそも減ってしまっています。赤ちゃんはぷるぷるでふにふにですよね。そしてお肌もみずみずしい。実際に赤ちゃんの体の水分量は80%もあるんですよ。

成人で60%くらいで、60キロの体重で40リットルほどでしょうか。高齢者になるとこれが50%以下と、だんたんと体に水分を貯めこむ力が弱くなります。

また、のどが渇いているのにそれを感じにくかったりすることも。年齢とともに感覚が鈍くなるんですね。また、夜中のトイレだけでなく日中も買い物等に出かける時のトイレに行きたくならないようにと水分補給を控えてしまう人もいます。
水分補給を習慣化しましょう。長年の習慣があるかもしれませんが、意識することでまた新しい生活習慣を身につけてほしいと思います。
朝起きてすぐ、朝食の前、終わった後、昼食の前、終わった後、夕食の前、終わった後、入浴の前、入浴後、就寝前。コップ一杯ずつ飲んでも1.2−1.5リットルです。
喉が渇いたなという際には、すでに脱水状態になっていることも。ですので、その前に飲むといってもタイミングがわかりにくいので、食事などきまった習慣の前後に飲む習慣をつけることが大切です。
「前後」というのがポイントで、食事中に食事を流し込むように飲むと「噛む回数」が減ってしまいます。できるだけ「よく噛む」ということを習慣にして唾液をしっかり出して消化の助けをすることも、内臓疲労軽減のために大切なこと。

緑茶やウーロン茶ですとカフェインが入っていますから、利尿作用があってすぐに尿になって水分が出てしまいます。夏はアイスコーヒー飲みたくなりますが、これもカフェインが入っていて水分補給にはなりません。

そう夏といえば!の冷たいビールのアルコールや、甘いジュースも同じように利尿作用があります。

ノンカフェインのお茶、ルイボスティーや麦茶などが水分補給に適しています。少し汗をかいたなというときには、天然塩、ミネラル塩をひと舐めするといいですね。

また夏野菜は水分が多く、カリウムを多く含むので、体の熱を冷ましてくれます。キュウリやナス、トマトなど積極的に食べるようにしたいですね。おやつは、キュウリに塩をかけるなどはよいですね。

お味噌汁や梅昆布茶もミネラル塩分が豊富に含まれているので、熱中症の予防に有効。(日本救急医学会 熱中症診療ガイドライン2015)

食事でとりたい栄養素

 経口補水液

食塩とブドウ糖を混合し、水に溶かしたものである。これを飲用する事で小腸において水分の吸収が行われる。(wikipedia)

[作り方レシピ] ミネラルウォーター500ml分
・塩 1.5g・砂糖 20g(塩分と水分の吸収をよくする)・レモンひと絞り(ポッカレモン等でもOK)

暑さや運動などで大量に汗をかいた場合(服を着替えたいほど)また脱水症状を感じた際には、電解質(ナトリウム、カリウム)濃度が高く、体内にすばやく補給されるので効果的です。ただし経口補水液は、塩分濃度も糖分も高いため(分量を目でみるより作ってみると感じます。砂糖20gはスティックシュガー6本ちょっとですから。)

高血圧の方、糖尿病の方だけでなく、お薬を飲んでいる方は、お医者さんにかかったときに相談しておいてください。

脱水による「夏血栓」にも注意

死亡率が0.5%の熱中症に対し、夏血栓は死亡率が最大30%で、突然死の原因となることから注意が必要です。
夏血栓は、この暑さによる脱水で血液の流れが悪くなり血がドロドロに。血栓ができることで、血流が止まってしまいます。他にアルコールを飲んだとき、またもともと血圧やコレステロール値が高い人、あまり動かない、座りっぱなしなどの生活習慣では血流が滞りやすくリスクがあります。

2つの体力を維持しよう!

年齢とともに体力が落ちてくる実感がありますが、この体力には二種類あります。ひとつは、免疫の体力のことで、もうひとつが行動の体力のことです。「免疫」と「行動」の両方の体力が必要です。酷暑といわれる今年、熱中症での搬送者数は過去最高となりました。

夏はどうして疲れるの?

暑いだけで、体力が奪われ、他の季節よりも疲れを感じます。
私たちは暑さの中では、発汗しますが、発汗して汗とともに体内の熱を外に出して、体温が上がりすぎないようにしてくれています。このような体温調節は、自律神経の働きによるものです。

夏は、屋外での暑さと室内での冷房温度の温度差への対応、外では35度、部屋では25度だとしたら、それだけでも10度ほどの差があります。「自律神経」を酷使していると私たちは「疲れ」を感じるのです。

また、外と部屋の中の温度差だけでなく、室内での温度差にも注意が必要です。高齢者が温度差で危険なのは、冬ばかりではありません。夏場でも冷房使用のお部屋と、使用していない廊下やお手洗いなどで温度差が10-15度ありませんか?温度差によって、血圧が20-50も変化しますので、体に大きな負担がかかります。

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