介護予防 健康コラム

よく噛んで認知症予防!「よく噛むこと」は一生ものの健康法

私たちが健康を見直す時には「住まい」「食事」「睡眠」「運動」があります。今日は「食事」について。
といっても、あの食べ物がいい、あの飲み物がいい。と振り回される前に一番大事なのは「よく噛む」こと!

よく噛むこと、よく噛んで食事をすることは、健康づくりの上で本当に大切なことです。


健康づくりのコツは「よく噛むこと!」

家族全員で取り組みたい一生ものの健康法で、認知症予防


 

先日、実家に帰り親に伝えたところです。とにかくよく噛まないと口もとがだらしなくなりますよ。と。母が「お父さんは全然噛まない。」というので、母親に食材を大きく、そして調理しすぎないこと!これをアドバイスしました。

「よく噛む」ことは、小さな子どもから、成人、お年寄りにまで共通の健康法です。

先日の健康テレビ番組では、よく噛むことで、認知症予防!という番組内容でした。
よく噛むことで、こめかみから脳への刺激。またよく噛むと認知症予防のホルモンが分泌されるということですが、今回のポイントは「食事の眠気」です。

食後30分くらいで強い眠気がくる場合「食後に血圧が下がりすぎている」場合が多く、誰でも食事すれば食事前よりも20くらいは下がるのですが、やはりそれ以上下がることで眠気はきます。消化のために胃腸に血液が流れ、脳への血流が減るためです。これが認知症との関係がわかってきているという内容でした。

認知症の予防に限らず、よく噛むことは健康への第一歩!です。「よく噛む」ことが、家族みんなの健康にいい!をお届けします。

よく噛んで眠気予防

先ほどは、認知症予防に「よく噛む」ということでしたが、お勤めの方などは、お昼休憩後に、急激な眠気に襲われるという方、いらっしゃるのではないでしょうか

どうしてよく噛むことと眠気が関係するのかというと、たとえば飲み物で流し込むように食事をすると、消化を胃腸だけが負担することになります。一生懸命消化しようと、血液が大量に胃腸に送られます。そのため脳の血流と血液内の酸素が不足して、強い眠気に襲われるのです。

噛むことで分泌される「唾液」の役目は、このあと順にご紹介しますが、まずは「消化」を助ける役割があります。

ですから、しっかり噛まないと胃腸だけが消化をがんばることになるのです。

唾液中には、消化酵素のアミラーゼが含まれていて、糖質、デンプンなどを吸収しやすい形に分解する酵素です。噛む回数が多いほど唾液アミラーゼの分泌も多くなり消化が助けられます。

ですから、一口30回といいますが、普段からよく噛まない人にとって”30回”は、なかなか忍耐のいることです。
ですので食材を大きく切る、火を通しすぎないで食感を残す調理法などを工夫することで、自然によく噛むようにすることが大切です。

ある会社の社員食堂でもそのような取り組みがありました。

また食事しながらお茶を飲むのをやめるだけでも、流し込むように食べることを予防することができますね。むかしの食卓では、食事後にお茶の時間がありましたよね。唾液を薄めないという意味でもいいですね。

私たちの体の疲れは、内臓の疲れでもあります。夜遅い食事がNGなのも、内臓に残業させるようなことになるからです。

よく噛んで口臭予防

噛めば噛むほど、唾液は分泌されます。唾液により歯磨き効果があります。口の中の異物を洗い流すような効果です。口臭の原因となる、食べカスだけでなく、細菌を洗い流す効果も。

年齢を重ねると朝起きた時に、口臭を感じる方も多いかと思います。これは年齢を重ねることによって、唾液分泌の減少によりおきます。お口の中が乾燥すると細菌が繁殖しやすくなります。
ですので、年齢を重ねれば重ねるほど、「噛む」ことによって、唾液を分泌させ、唾液でお口がいつも潤っていることが大切です。

食事には箸置きを使い、一度ずつ箸を置くというアイディアや、スプーンでなくても食べれるもの例えば親子丼、にくじゃが等でスプーンを使わないなども、食事のペースを落として、よく噛むためのアイディアです。

Q1日の唾液分泌量ってどのくらい?

A「正解は、1.5リットル!」
その分泌量は20代で最も多く、30代以降で急激に減少、70歳を超える高齢者の唾液分泌量は、20代成人の7分の1程度と言われています。

よく噛んでダイエット

よく噛むとダイエットにいい。聞いたことがあると思います!
よく噛むと食事に時間がかかるので、脳に「おなかいっぱい」のサインがちゃんと送られます。あまり噛まないで急いで食べると、おなかいっぱいのサインが届かず、たくさん食べます。

よく噛んで「おなかいっぱい」と感じれば、我慢しないでもいいんですよね。ストレスも減って、健康になって満足する食事は「よく噛む」こと。

食事の量が多いと、内臓が消化に一所懸命働いてくれますから体も疲れを感じやすくなります。疲れた体では行動的になれませんよね。ちょっと動く、ちょっと歩く、階段を使うというエネルギーを残すためにも、消化で体力を奪われないようにしたいですね。

よく噛んで滑舌よく!口もとの若さ維持

よく噛む習慣があれば、口もとはしっかり引き締まった顔つきになります。年齢を重ねると、話しているうちに、口角に泡がたまるような光景。。ああ、どこかで見たことがありますね。
これはよく噛んで、顔の筋肉をしっかり使うことで、だらしのない表情になるのを防ぐことができます。
口がやんわり開いている表情が「かわいい」のは20代まででしょう。

筋肉は使われないと委縮し、使うと発達します。しっかり口もとがしまっていることが若さと健康の秘訣です。

 

よく噛んで口呼吸といびきを予防

口もとがしまっていないと、いつも口が開いた状態になり、普段の呼吸が「口呼吸」になります。または鼻呼吸ができず、いつも口呼吸なので、口もとがしまらずに、口もとがぽかんとなってしまうのかもしれません。口角筋の衰えです。見た目にも口角が下がりますので気をつけたいですね。

口呼吸は、睡眠時のいびきや、無呼吸症候群の要因でもあります。
家族が迷惑するだけでは済みません。体調面でも大きな影響があるので、口呼吸にならないよう、普段からよく「噛む」ことで口もとが締まるようにしたいです。

(参考記事)→いびきのメカニズム  

      →鼻呼吸できますか?鼻呼吸でいびき予防

よく噛んで風邪予防

口呼吸では、ドライマウスになります。ドライマウスでは口臭だけでなく、外部からの細菌やウイルスなどが侵入しやすくなります。唾液には、免疫抗菌作用があります!

食事はいつもよく噛んで、お口の中が乾かないように。いつも潤っているようにしましょう。

 

子どものお口育てもよく噛む!こと

「お口ぽかん」うちの子どもがご家族からのご相談もあります。
子どもの場合は、虫歯予防だけでなく、歯並び、顔作りとも関わってきます。

それだけでなく「脳の発達」との関わりも。噛むとあごが動いて、こめかみが刺激されますが、口周りを動かす筋肉はすべて脳神経なのです!

大人になれば、介護予防、認知症予防との関連があることで、私たちが生きる上で「噛む」ということが一生大事な健康法ですね。
また小さい頃からの食生活習慣がずっと続きます。子どもにだけ「よく噛みなさい」ではダメ。

家族全員で「よく噛む」健康習慣!身につけましょう。

まとめ

姪っ子に長崎の銘菓、通称「ねじねじ」というお菓子をあげました。
これは大人でも歯が割れるんじゃないかと思うほど、私はこの世で一番硬い食べ物かもしれないと思っているくらいのですが、まだ2歳半の姪は、これを工夫して食べようとするんです。しゃぶって少し柔らかくして、噛めるようになたらボリボリとすごい音を立てて食べていました。
弟夫婦は驚いて「親がこれは食べれない」とか決めつけ過ぎてるかもと話していました。

3歳児は乳歯が20本生えそろうことでかみ合わせも完成します。そうすると、もっとしっかり「ねじねじ」をボリボリ食べてそうですね。
子どもの「噛む」成長を見届けたいと思います。

(よく噛む健康法シリーズの他の記事)

シリーズ1 よく噛んで、食後の眠気予防「カレーは飲み物ではありません!」

シリーズ2 よく噛む健康法その2「よく噛んで食べる」ことが良い睡眠のコツ!

シリーズ3 「気になる口臭はよく噛んで解決」よく噛む健康法その3

 

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