コラム・エッセイ ワンポイントレッスン 介護予防

限定公開[レポート]義足のウォーキングレッスン

先日長年の友人である堀雄太さんが、義足を新しくしたので、歩き方も進化させたい!とご依頼いただき、にレッスンさせていただいた様子をレポートでご紹介します!

(堀雄太さん)むか~し何度かレッスンを受けて、その時も劇的に変化したのを覚えていますが、今回もかなり変化を感じました。毎日できる意識改革も教えてもらい、義足歩行で固まっている股関節周りも改善していきます。

義足のウォーキングレッスンも、通常のウォーキングレッスンと同じです。というと驚かれるでしょうか?

でも、本来は一緒であるべきだし、逆に一緒でないとおかしい=本質ではないのです。
なぜなら「歩くのは本来、骨盤を動力にして、骨盤と股関節で脚を操作し、足は地面との接地の役目として考えます。」
それは、車を走らせるのはタイヤではないということと同じで、足で歩くのではないということです。

「足で歩く」「靴で歩く」方は、足がむくみやすかったり、歩くと疲れを感じやすかったり、足が太い。また、靴のかたちがすぐに崩れたり、かかとが減りやすかったり、靴下がすぐ破れたり....。足のマメやタコ、外反母趾など足トラブルにも。

 

義足でも同じレッスンということは、皆さんにお届けしている「基本のウォーキングメソッド」は、無理をしない負担をかけないからだが本来の状態で動きやすく、歩きやすくなるようにプログラムされたレッスンですから、人工関節等や杖をついている方も安心していただけます。

レッスンを受けていただくことで、歩き方ももちろん変わりますが、歩きやすくなる(足運びが軽くなる)だけでなく、姿勢や歩く姿などの見た目のバランスも整ってきます

レッスンのビフォーアフター

まずは、レッスン前とレッスン後の変化をご覧ください。(この日は2時間のレッスン)

たった2時間です。でも、たった2時間でここまでの変化したのは、あえていえば「義足」だからはないでしょうか。私たちは、自由にからだが動く分、余計なことを無理にしてでも見た目だけ・かたちだけ真似したりして。いえば、小手先を使って「できたように見せかける」こともできちゃうんですね。でも義足だと、できないことはできませんから、小手先を使えませんので、理なこと余計なことができない分、しっかり本質を掴んでいただくことができたのではないでしょうか?素晴らしい!

(たとえばゴルフなどは、子どもだとクラブが重たくて力で打つことはできない分、早くフォームが身につきやすいのと似ているかと思います。)

<ビフォー>ぎこちない(偏りのある)歩き方
膝の高さが膝一つ分(15cmくらい)違うため、長い脚(義足)の方を杖のようにして歩いている
・義足を支えるために反対の足が大きく開いている
・頭が左右に揺れている
・歩幅が大きくできない
・足音がうるさい(と家族に言われる)

<アフター>スムーズな歩き方
・左右の足の着地位置が中心に
・頭の左右のブレが少ない
・股関節を使えている歩き方に変化し
・歩幅が大きくなっている(前に進む力を感じる)
・足裏の重心移動がスムーズ
・足音が小さくなった ←(音楽でわからないのですが...すみません)

何より、見た目の歩き方、歩く姿や顔つきまで変化し、まるごと男前になっていませんか?

 

 

私が指導する際に、無理はしたくない、できない、体力がない、筋肉がない、という方が多くいらっしゃいます。

でも、安心してください。
無理はしません。歩く・立つ・呼吸するなど日常動作に必要な筋肉は、その動作をする中で養われます。

そして必ず最初にするお話しがあります。

それは
「味方につけるのは筋肉ではなく重力」だということ。これは、言葉ではわかりにずらいのですが、レッスンして実感することで、しっかりと体感いただくことで腑に落として、意識改革をしていただきます。

それが本来の歩き方で、足だけで歩く歩き方と区別するために「骨盤ウォーク」と名付けています。

st-mybox title="" webicon="" color="#757575" bordercolor="#f3f3f3" bgcolor="#f3f3f3" borderwidth="0" borderradius="5" titleweight="bold" fontsize="" myclass="st-mybox-class" margin="25px 0 25px 0"]

<骨盤ウォークのレッスンプログラム>120分

骨格について知る・体感する

姿勢のワーク

肋骨と呼吸・肋骨と足運びの関係性

重力を味方につけるワーク

靴の履き方

ウォーキングフォームのレッスン

宿題:いつでもできる体幹レッスン

[/st-mybox]

 

よい姿勢のバロメーターは「呼吸」「歩幅・フットワークの軽さ」

猫背はダメだからと胸を張る「気をつけ」の姿勢も実はNGなんです。

姿勢は本来のからだの状態のこと。

バロメータは2つで「呼吸」と「脚」でチェックできます。

1)呼吸が深いこと

猫背を大袈裟にして、腰が折れて杖をついたような状態だと呼吸は浅くなります。逆に、軍隊の行進のように、胸を張っていきを吸ってもほとんど吸えません。

私たちは年齢とともに、呼吸が浅くなるので、疲れやすくまた疲れがとれにくくなります。(いえば、酸欠です)それに、呼吸が浅くなることで太りやすくなってしまいます。

本来の呼吸は深い。赤ちゃんがすやすや眠っているときの胸はすごくよく動いていますが、みなさんはどうでしょうか?
年齢とともに寝ているときに深い呼吸をしていて胸が動いている様子は見受けられません。石のように固まっていませんか?ソファーで休んでいると家族が心配して声をかけからだを揺するといびきをかいて大丈夫だとなったり...という笑い話のようですが、よくあるお話しです。

呼吸が深い本来の状態を取り戻しましょう。

長生きは「長い」「息」=呼吸が深いことです。

息は自分の心と書きます。浅い呼吸は、焦り不安。深い呼吸は安心、落ち着き。呼吸の状態は、心にも影響します。

 

2)フットワークが軽いこと

猫背だったり、腰が折れて杖をついたような状態だと膝が上がらず、歩いてもほとんど前に進みません。軍隊の行進のように、胸を張ると膝は上がりますが、前にほとんど進みません。

こともは、フットワークが軽い。いきなり飛び出したりして危ないのですが、年齢とともに急に走り出すなんてできなくなりますし、歩くと疲れてしまうと、電車では空席を探し、駐車場は入り口に一番近いところを無意識に探してしまいます。お尻と椅子が仲良しになって歩かなくなります。

また、時代とともに様々なことが便利になりました。便利というのは、脚を使わない=退化ともいえます。歩くことは脳の活性化とも深い繋がりがあります。

 

年齢とともに姿勢が崩れてしまい「呼吸」と「歩く」という基本の日常動作そのものが、からだに負担をかけてしまいます。「呼吸」と「歩く」の日常動作に影響するのが姿勢だということです。

逆にいえば、呼吸と歩き方、姿勢という日常動作をととのえれば、元気になって健康に一歩一歩近づくということなんですよ!

姿勢=「肋骨」をととのえる

姿勢のポイントは「肋骨」です。左右に12本ずつあります。

この肋骨が年齢とともに下垂して老化姿勢になります。見た目にわかりやすいのは「胸が垂れる」「おなかがたるむ」など。

この肋骨の下垂を「背伸び」をして上に引き上げます。たったそれだけで、呼吸が深くなって、フットワークが軽くなって歩きやすくなります。

久々に深呼吸をした感覚はとても気持ち良いですよ。あぁ酸素足りてなかったなーって、気分もスッキリ、脳内までリフレッシュしてきます。

そして、なんといっても脚が軽く歩けるようになってびっくりします。姿勢が整って、からだが軽いと足音が静かになります。足音が静かだということはからだに負担がありません。

これはぜひ一度体験いただきたいです。

(他のレッスンでの動画)

からだは體

「体」という漢字は本来「體」と書きました。骨が豊かと書いて、全身には約206本の骨があります。からだの外から、目には見えませんが、このからだの中にある骨を意識するだけで、姿勢もからだの使い方も変わります

呼吸が深く、歩きやすい姿勢をさらに安定させるために、首の骨を意識して、頭を安定させることで、姿勢を安定させます。

首だと思うところを触ってみてください。実は本来の首は見えているところよりももっと長く、顔の約半分まで突き刺さっています。

 

みのわあい。の毎日健康!日めくりカレンダーより

首の骨を意識するだけで、堀くんの場合この変化!

みえない骨を意識するだけで、姿勢が整ってきます。

骨格、骨子、骨組み、骨太、骨があるなどの「からだことば」があります。
私たちは眼に見えているものだけにとらわれずに、見えない骨を意識することが健康のコツ(骨)を掴む!につながりますね。

そして、もう一つ大切なこと。それは「立つことは踏ん張ることではない」ということです。

五重塔の柱は、石の上にまっすぐ落ちています。これが「重力を味方につけて立つ」ということです。同じように立てば、足から力みが抜け、地に足をつけて立つことができます。

(動画)重力に抗って立つと歩き出せない。重力を味方につけて立つと歩き出せる!

 

義足でも靴の履き方から

義足でもまずレッスンするのは「靴の履き方」です。

「靴をきちんとと履く」たったそれだけで、足元が軽く感じられ歩きやすくなります。

靴は車でいうところのタイヤですから、しっかりと着用していることが大切です。車だったら命にかかわる事故につながる危険レベル。
脱ぎ履きが面倒だからと、サイズが大きめの靴だったり、靴紐を緩く結んだり。すぐ脱げるように履くのはNG.足に負担がかかります

何が負担なのかと言えば、足と靴が動くことです。大したことがないように思いますが、からだにとってそれは事故レベルの話なのです。微妙な靴の中でズレ動くことが、からだの歪みや、負担の原因になります。

また、靴の中で足が動くことで、蹴り出す必要が出てきて、外反母趾になったりタコやマメなどができやすくなります。男性にも外反母趾の方がいるのはそのせいです。ヒールだけが原因ではありません。

他に、靴下が破れやすい、靴が痛みやすい、靴の形がすぐに変形するのも靴をちゃんと履けていないこと、靴のサイズが大きいことが原因です。

 

動画のように履き直すと、歩きやすい、靴が軽く感じます。堀さんの場合、かかとにぴったり履くと、つま先が余り過ぎていました。サイズは1−2サイズ小さくてOKです!

 

歩行年齢=ウォーキングフォーム

歩き方を整える際に、歩行年齢のバロメーターである
1)「姿勢」2)「歩隔(ほかく」3)「歩幅」を整えていきます。

1)姿勢は、最初にお伝えした肋骨の下垂を「背伸び」をして上に引き上げます。その状態で歩けばOK。継続すれば、肋骨が引き上がって本来の状態に戻ってきます。

2)次に「歩隔」を整えていきます。

歩隔は、あまり聞きなれない言葉かと思いますが、左右の足幅&足運びです。左右の足幅が開くのはNGです。左右の足が開いていると、股関節が機能できず、前に進めません。ペタペタと足音が大きくなり、頭がペコペコと横揺れする歩き方になります。あまり前に進まないので、歩くのが嫌・めんどうくさい方に比較的多く見受けられる歩き方です。

いえば、前に進まないので、歩くのが嫌になっちゃいますよね。歩隔は腰幅より広がらないように、腰幅から中心に向かって足を運ぶイメージで整えていきます。中心=首のラインが体幹に着地するのが理想です。そうすることで、重力が味方して、スムーズな足運びが実現します。

船が水をかきわけるように、空気をかき分けるようにして歩きます。水中だと水の抵抗があり、これは一瞬で体感できます。地上だと感じにくいのですが、やってみると違いがわかります。 荷物は手に持つよりも肩にかけたりリュックにすると軽いという経験があるかと思いますが、それはからだの中心にあればあるほど、重力が味方するからです。

水泳のクロールで泳ぐ時は、手はからだの中心ですよね。もしこの手が中心で揃っていないとまるで溺れているようですよね。歩くのもクロール同じ。また、からだの中心に着地することで、股関節が作用して、自然と歩幅も大きくなり、立体的な足運びになります
歩幅が小さいのは、筋力不足だったり、脚が短いのではありませんから安心してくださいね。肋骨が下垂した姿勢と間違った歩き方で、ただただ本来のからだの動きを阻害していたからです。
(動画)歩隔をととのえて歩く

https://youtube.com/shorts/-XsHZ-JRSl4

骨盤ウォークでは、歩幅は自然に大きくなるものです。そのための姿勢で、そのための足運びです。

歩幅の理想は、身長の約半分と言われていますが、みなさんは普段いかがでしょうか?今までの姿勢や歩き方では実現しえません。

できたとしても膝が曲がって腰を落とすような歩き方になってしまって、日常動作としては使えません。

でも、肋骨が引き上がった「姿勢」で、「歩隔」が整えば、自動的に歩幅は大きくなります。そして、立体的な足運びができるため、裏もも=アクセル筋を作用させ、スピードがあるスムーズな歩行が実現します。

これらのレッスンを2時間した動画のビフォーアフターが最初にご覧いただいたこちらの動画です

 

 

後ろ姿の比較

https://youtube.com/shorts/6t426i1pCds

 

レッスンを終えて

レッスン後、Afterの堀くんのウォーキングフォームは、誰がみても美しいと感じるのではないでしょうか。それは、本来のからだの動き、理にかなった動き=美しいと私たちは感じるからです。ここまでお読みいただいたらおわかりいただけるかと思いますが、無理をして歩き方の「かたちだけ」を整えて美しくしているのではありません。

たとえば、ゴルフでもテニスでも、そのフォームが美しい人はプレイも上手で、美しいのは本来のからだの動き=理にかなった動きをしているからと言えるでしょう。

私の年齢を重ね、周りの知り合いやそのご家族に人工関節を入れたり膝の手術をされた方や杖を使う方が増えてきています。
そして、歩き方に関しては、諦めていらっしゃる方も。たとえ杖をついていても、今よりもラクに歩ける方法、キレイに歩くことはできますが、リハビリされたあとはもう歩けるだけで十分だと。ぜひ諦めないでほしい。

以前、杖を使ってらっしゃる方にレッスンさせていただいた際には「歩き方を指導してもらえる先生がいるなんて。私は杖をついてもキレイに歩きたいんです」とおっしゃっていらっしゃいました。

レッスン中は、杖を使うことなく歩いてもこんなに楽に歩けるんだと驚いて喜んでいただきました。椅子からの立ち上がりも負担のない動きをレッスンさせていただいて、立ち上がる際に杖がいらなくなって、レッスン後は、杖を会場にお忘れになってしまいました。(すぐに戻ってこられましたが)そして、これから旅行が楽しくなるとおっしゃっていました。

まだまだ人生を楽しみたいのであれば、それは義足でも、人工関節でも膝の手術をしても、杖を使っていても、明らめないでほしい。
私がお伝えしている骨盤ウォークのメソッドは筋トレは不要です。
味方につけるのは筋肉ではなく「重力」、そしてみえない骨を意識して、本来のからだの動きを促すためのウォーキングフォームを身につける。それは、一生ものです。私たちは、残念ながら学校教育で大切なからだのことについて教わらなかったので、知らなかっただけです。だから一緒に探していきましょう。とお伝えしたい。

今回、堀くんへの義足のウォーキングレッスンを通して、歩くことにお困りの方に、ぜひ骨盤ウォークメソッドを取り入れていただき、歩く喜びを感じていただきたいなと強く思いました。ご興味をお持ちでしたら、ぜひご相談いただければと思います。(ご家族の方のご相談もお受けします)

今回のレッスンは、お世話になっている整形外科医、理学療法士、工学博士、歯科医の先生方にも発表し、コメントをいただきこの骨盤ウォークのメソッドをさらに改良し、みなさまにお役に立てるメソッドをご提供していきます。

レッスン中は、いつの間にか杖を使うことなく歩いていらっしゃっいました。こんなに楽に歩けるんだと驚いて喜んでいただきました。椅子からの立ち上がりには必ず杖を頼りにしていますが、レッスンさせていただいて、立ち上がる際に杖がいらなくなりました。そして、レッスン後は、杖を会場にお忘れになってしまいました。(すぐに戻ってこられましたが)これから旅行が楽しくなるとおっしゃって帰られていきました。お手伝いができよかったです。

ウォーキングといえば、モデル歩きなどは無理をする歩き方だ、見た目だけの歩き方だと言われますが、実は本来はそうではありません。実際、ハイヒールも基本のウォーキングの応用、つまり義足のウォーキングの延長上にあります。ただハイヒールが特殊な靴ではありますので、そのために必要なからだの動きや体幹を身につけることは必要です。それは、ゴルフの際のクラブと似ていて、それを操るためのドリルのようなものです。

私のハイヒールでのウォーキング指導は、基本は今回のレッスンと同様です。基本のウォーキングをマスターしたあと、ハイヒール用の足運びや、体幹レッスンをして歩くようにしていきます。そうすれば、外反母趾の人でもハイヒールで足が痛くない歩き方ができるようになるのです。ちなみにレッスン後は、むくみも解消されてヒール靴がブカブカになります。むくみが解消されるということは、滞りがない歩き方ができているということなんですよ。もし、見た目だけが綺麗な歩き方なら、負担をかけてしまう歩き方になり、それは美しさとしては通用しても、年齢とともに通用しなくなります。

ただこのようなレッスンをする方はほとんどいないようです。(<=私のレッスンを受講しているダンサーの方のコメントです。)

 

[みのわあい。からのお知らせ]

みのわあい。の「参加型!健康エンターテインメント講演会はリアルでの開催・オンラインでの開催、またハイブリッド開催も承っております!お問合せフォームよりお早めにご相談くださいませ。

5月17日発売!著書『骨盤革命』(自由国民社)1日1分の骨盤スクワットで美姿勢になれる!
全国書店、Amazonにて好評予約受付中!


健康習慣をアップデートしよう!!
「見るだけで!」からだが変わる日めくりカレンダー
(1ヶ月分の日めくりで繰り返し使えます)
好評発売中!

友だち追加
iwalkみのわあい。の無料のLINEレッスン講座
1日1分でできる運動や、季節に役立つ健康情報をお届けしています。

友だち追加
LINEから@iwalkで検索!
現在、約500名の方が受講しています!

-コラム・エッセイ, ワンポイントレッスン, 介護予防
-, , ,