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関節は、バナナの皮よりも「滑る」

「滑」は「氵」に「骨」と書く。これは関節が水のようにサラサラ滑るということが由来だそう。ちなみにどのくらい滑るのか調べてみたら実際は、バナナの皮よりも滑るのだだそう。
(北里大学馬渕教授によるイグノーベル賞の発表がある。ご興味がある方は面白いので検索してみていただきたい)

関節の滑りが良くなるというのは、動きが悪くなると部品が錆びついてクレ556したらよく動く感じと似ているように思う。けれども、からだにクレ556するわけにいかないのでどうするかといえば、その一つの方法として、関節が動くべき位置、場所、方向というのがあって、その手続き、約束事を守ってからだを動かすことで、関節がバナナの皮よりも滑って動きが良くなってくるということだとイメージしていただくのが良いかもしれない。

例えば、クロールは手をからだの中心に置く。これが前にならえをしたままでもし泳ごうとでもすれば、溺れてしまいそうになるということは想像できるであろう。同じように歩く際にも、腰の幅で歩くと股関節の動きがあまり良くないため、足が前に出にくくなるように感じられる。もし試してみるなら、右足と左足の横幅、スタンスをかなり広く取ってみてその状態で歩いてみて欲しい。足がほとんど前に出ないのが感じられるはずだ。これが少しずつ左右の幅を狭くしていくと少しずつ足が前に出しやすくなり進めるようになる。

クロール同様、中心から外れると関節の動き(この場合は股関節になる)が悪くなるため、ちょこちょことした歩き方になり、膝が曲がり関節に負担をかけるし、ふくらはぎに乳酸が溜まり疲れやすくなってしまうということになる。ところが、からだの中心に足を着地させるようにすると途端に股関節の動きが良くなり歩幅は自然に大きくなる。その結果、脚はまるでみぞおちから生えているかのように、洋服のおなかの部分にドレープが入ったように動くため脚長に見えてくるから不思議である。それはインナーマッスルと言われるみぞおちのあたりの背骨の内側と股関節もまたがる大腰筋というのが動くことによるものだが、これは股関節が滑るように動く場所であるからだの中心、体幹部に足を着地させることにより「バナナの皮よりも滑る」状態になることで作用してくるということになると考えている。

 

奈良で開催している公開講座「骨から整えるからだレッスン」では、からだのフレームとしての骨格を整え体幹ができた状態、関節を滑らせて動きを良くするためのコツを掴むために色々な動きをする。先日は「光る君へ」がテーマになった。

ドラマの中で天皇が衣装を広げて座る姿がなんとも美しいのだそう。参加した方の半数が毎週観てらっしゃっるりのことで大いに盛り上がり、その皆さんが再現して見せようとしてくれるのだけどうまくできないようで「本当はこうじゃないんですよ。もっとねー」と、互いに顔を見合わせていた。

試しに私もみなさんの動きからイメージして真似てみようと、からだの中心から手を大きく広げ(これはおそらく権力の象徴のあるお衣装を見せるように座るのだな)関節を滑らせるように滑らかにお尻を床につけ座り、そしてそこからすーっと滑らかに立ち上がってみる。どうもこれで良さそうだ。

皆さんもやってみてと言おうと思ったら、もう座りはじめていた。できるようになりたいという意欲はすごい。しかし、まもなくお尻が床に到着しようとする際に、お尻がドスンとなって座ってしまう。立ち上がるときは、膝を立てるまではなんとかできるけどそこから立ち上がれない。ついには「やっぱり筋肉が足りないのよね」と言い出すので「違う違う、筋肉じゃなくてそこは体幹がですよ」

あれだけ筋肉じゃなくて骨だというレッスンをしていてもこうなのだから、それほどに新しいものを自身の中に取り込むには少し時間が必要ということなんだと思う。ちなみに筋肉主導で立ち上がってしまったら勢いがついてしまうので優雅な動きにはほど遠くなってしまうだろう。イメージとは違うので、残念に感じてしまうかもしれない。筋トレをしないでいいというのが嬉しいはずなのに、頭の中には筋肉がないからできないという強烈な刷り込みがあるように感じている。

「頭の位置がズレているからこれだと関節が滑りません」と、頭の位置はここだと指示を出し、修正してあと一歩のところまでできてきたよう。そりゃ今日一日のレッスンで仕上がらないけれども、確実に次回ものすごくスムーズにできるだろう。これを3回講座を終えた方の発表にするのもいいなと「光る君へ」をチェックしておきたい。

「床から立つこと座ることを手を使わずにスムーズにできたらそれでもうからだの動きとしては充分に健康と言っていいと思うのです」私がお話ししたこのことが、今回初めてレッスンを受けた方には印象的だったようで、ご自身の未来が明るくなったようだとお話しくださった。

トレーニングをサボれば筋肉は裏切るけれども、骨格というフレームから姿勢を整えて出来上がった体幹を土台にして、関節を滑らせるように動かせばからだは裏切らないであろう。このメソッドをベースに「いつまでも自分の足で歩きたい」と願う人たちのサポートをしていきたいと思っている。


\ ご案内 /

※奈良で開催している公開講座「骨から整えるからだレッスン」(隔月開催)はどなたでもご参加いただけます。

 

<参加の方の感想>

子供の頃に体感しておきたかったです。

無意識に体が力んで肩が凝る、疲れやすいなど、自分のからだなのにうまく使えていないんだなと感じており、
少しでも快適なからだの使い方を体感してみたいと思い今回受講しました。

レッスンの題名にある「骨から整える」というと、
何か特殊なストレッチや運動をして矯正していくイメージを持っていましたが、
そういったものは一切必要なく、力が入っていない姿勢とはから始まり、正しい姿勢になったときの体の状態はどうなっているか、
体幹を使っているとはどういう状態か?(体感使うとめっちゃ汗かきます)など一つ一つ丁寧に学べました。
講師の方のユーモアあるお話とレクチャーは面白く、時間が過ぎるのもあっという間です。

子供の頃から、姿勢良くや前へ倣え、手を合わせてくださいなどからだの使い方を学校の使い方を指示されますが、
正しい使い方を教えてもらうことはほとんどないと思います(私は全くなかった・・・)
からだの使い方のクセがついてしまう前、できるだけ早い段階でこのような内容を学べる機会がもっと広まっていけばと思いました。
老若男女問わずお薦めの一生モノのレッスンです。

 

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